厄介な仕事は朝やれ!起床後20分が最もストレスに強い。
ストレスホルモン「コルチゾール」とは?
我々は、毎日いろいろなストレスに悩まされている。そのため人間の体は、それらのストレスに対応できるようストレスホルモンを分泌している。その主要なものの一つが副腎皮質から分泌されるストレスホルモン「コルチゾール」である。
コルチゾールの濃度は起床後20分に1日の最高値に達する
下図に健常な人の1日のコルチゾール濃度の変化を示す。これを見ると分かる通り、起床後20分のコルチゾール濃度が1日なかで最も高い。つまり、これは起床後20分後が最もストレスに対応できる準備ができているということだ。その後は日中に増減を繰り返し、20時以降はコルチゾール濃度は一気に減少していく。20時以降に一気に仕事の集中力がなくなり、厄介なことには手をつけたくなくなるのは、体がストレスに対応する準備ができていないためだ。
コルチゾール濃度は起床後20分後に最大値に達し、20時以降に急激に低下していくのはなぜだろうか?それは、寝ている状態から目覚めて、起きるというアクションが、1日の中で最もエネルギーを要するからだと思う。起きた後は、サーカディアンリズムに従い寝る時間に近づいて20時以降は急激に低下すると考えられます。(サーカディアンリズムとは、生物に備わる昼と夜を作り出す1日のリズムのこと。)
引用:あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法 - 脳科学の最高権威がはじめて明かす/久保田競 ダイヤモンド社
厄介な仕事は朝早い段階でやったほうがうまくいく!
実際にこの事実を知った私は、朝起きて真っ先に、その日で一番厄介な仕事に取り組むようにしたところ、前の晩は「朝からこの仕事やるのやだな〜」と思っていたのだが、朝になって取り組み始めてみると「思っていたほど厄介じゃないな。」という前向きな姿勢で取り組めるようになっていた。皆さんも騙されたと思ってやってみてほしい。
20時以降にストレスのかかる仕事をし続けると記憶力が低下する!?
脳内で記憶を司る部分「海馬」は、実はこのコルチゾールと密接な関係にある。失敗した出来事などはよく覚えているものだ。これは、太古の昔より、「不快なこと」が起きたときの記憶を覚えておくことで、次に同じようなことが起きたときにうまく対処するようにするためなのだ。
ただし、サーカディアンリズムに逆らい、20時以降もストレスを感じ、コルチゾールの分泌を増加させてしまうと、1日中コルチゾールが高いという異常な状況になってしまう。そして、このコルチゾールの過剰分泌により、海馬が消耗し疲弊していってしまうため、記憶力の低下も起こってくるのだ。
さらに、2009年のブルーズ・マキューアンらの研究では、さらに驚愕の事実も明らかになった。慢性的なストレスが続くと、思考や判断、意思決定を司る脳内の司令塔「前頭前野」までもが損傷してしまうというのだ。コルチゾールは、私たちの情動を支配する扁桃核にも影響を与え、過敏にさせるということも分かっており、ストレスを長期的に感じ続けることで、海馬が損傷して記憶が曖昧になり、扁桃核が過敏になるため、ますますストレスの影響を受けやすくなり、前頭前野まで壊れ始め、何をするにも意欲がわかなくなるという事態に陥るのである。
ストレスに対処するために分泌されるストレスホルモンなのに、ストレスが長期にわたることで、脳の働きが悪くなり、脳も体もボロボロになってしまうとはなんとも恐ろしい。
20時以降はストレスから解放されよう!
サーカディアンリズムに従って、朝のうちにストレスのかかる厄介なことは済ませてしまい、20時以降はストレスから解放されよう!やはり、規則正しい生活が一番!
今回の事実はこの本で知った。脳研究の最高権威と称される京都大学名誉教授 久保田競氏の本だ。皆さんもぜひ参考にしてほしい。
転職にはTOEIC710点以上が必要!? 英語読めても、喋れないとダメ!?
「企業が求める英語力」と「日本の英語教育」の差は広がるばかり
「これからの時代は英語がしゃべれないとね」的な話は、ここ最近ずっと言われていることだが、中学、高校の英語教育を受けても、英語をしゃべれる人はかなり少ない。ただし、グローバリゼーションの波が押し寄せ、企業が社員に求める英語力は高くなっている。
下記に「企業が社員に期待するTOEICスコア」と「新入社員、大学・大学院の平均スコアをまとめた図を示す。見ていただいて分かる通り、新入社員は企業の求める最低ラインはクリアできているが、平均ラインをクリアできていない。ちなみに新入社員に求められる平均的なTOEICスコアは565点。どの程度のレベルかというと「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」というレベルらしい。このレベルに達している日本人は、なかなかいないように思うのだが、、、どうだろうか?そもそも今まで通りに中学、高校の英語教育を受けて、このレベルになれるのだろうか?英語教育と企業の求める英語力に大きな差が生まれているような気がする。
引用:上場企業とTOEIC 15%の企業が昇進・昇格の要件に :日本経済新聞
企業が社員に期待するTOEICスコアは上昇傾向
下図にて企業が社員に期待するTOEICスコアの2011年と2013年の比較データを示す。2011年においては、主任クラスで470点、係長〜部長クラスはおおよそ一律で530点程度だった。しかし2013年には主任クラスで520点で50点アップしている。さらに役職が上がることに点数は上がり、部長クラスでは580点で60点もアップしている。企業が社員に期待するTOEICスコアは確実に上昇してきているのだ。
引用:上場企業とTOEIC 15%の企業が昇進・昇格の要件に :日本経済新聞
中途社員に求める英語力はTOEIC710点以上
特に近年、急激にグローバリゼーションが進んでいることもあり、即戦力としての期待がかかる中途採用社員に求められる英語力は非常に高い。下記に示す通り、2011年時には中途採用社員に期待するTOEICスコアは600点だったのに対し、2013年では710点で110点もアップしている。
引用:上場企業とTOEIC 15%の企業が昇進・昇格の要件に :日本経済新聞
英語が読めても話せない日本人。それじゃダメ!
では、TOEICの点数が高ければ良いのか?上記のTOEICスコアは、英語読解力、リスニング力を計るスコアである。つまり、スピーキング力、ライティング力は含まれていないのである。以前の記事でも書いた通り、世界基準のコミュニケーションでは、自己主張が強くないと生き残っていけない。
では、TOEICスコアの高い日本人は英語のスピーキング力にも自信があるのだろうか?下記にTOEICテスト600点以上の方を中心としたアンケート結果を示す。質問内容は「英語で外国人と会話をすることについて、どう感じていますか?」という内容である。結果を見て分かる通り、TOEICスコア600点以上の方でも55%が英語で会話することが苦手という状況だ。日本人は英語が読めても話せない人が多いのである。これでは、世界では通用しない。
引用:TOEIC®テスト高得点でも話せない!?~539名が回答したTOEIC®テストのスコアとそのスピーキング力~|株式会社ビジネス・ブレークスルーのプレスリリース
日本人よ英語を話す訓練をしないと!
スピーキング力、ライティング力の計測も含むTOEFLスコアで、日本の英語力はアジアでどの程度の位置にあるのかを見てみよう。下記に2010年時点のアジア30か国のTOEFLスコア平均点ランキングを示す。日本は27位である。
引用:@DIME アットダイム|ジャンル|その他|アジアの中でもワーストクラス! 日本人の英語力、こんなに低くて大丈夫?
今後グローバリゼーションが進めば、確実に世界基準のコミュニケーションが求められる。その時に求められるのは、自らの考えを根拠を持って、ロジカルに 主張できるかである。もう皆さんお分かりの通り、英語がいくら読めても、聞き取れても意味がないのである。
もう悠長なことは言ってられない。今日からでも英語を話す トレーニングを開始しよう!今度、自分が英語をしゃべれるようになったときの良いトレーニング方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
▼関連記事
「人の気持ちは分からなくて当たり前」日本人よ世界基準のコミュニケーションにシフトせよ! - BUSINESS PROFESSIONAL
売れる営業マンは「現場主義」を貫く!
徹底した現場主義がすべての基本
この世の中で、何よりも説得力のある情報は「現場の事実」である。この道何十年のプロが語る感覚的な情報は、時として説得力を持つことがあるが、「今の時代の本当の現場の事実」の前にはひれ伏さざるを得ない。
営業マンの世界もこの「現場の事実」を知り、営業活動ができているかによって成績に圧倒的な差が出てくる。私も営業マンとして、日々これを痛感している。
ある外資系IT企業の方を相手にプレゼンをした際に、ある施策を実施する理由を問われ、私はこう答えた。「3C分析のスライドからも分かる通り、この施策は顧客のニーズにも合致し、競合が訴求できない要素をこの施策であれば強烈にアピールできますよ!チャレンジしましょう!」しかし、相手方はなかなか納得してくれない。理屈では分かるが、一歩踏み出せない。チャレンジする気にはなれないという感じだった。なかなかこの場では決まりそうもないため、ひとまず今回は保留とし、帰ることとした。帰りの身支度をしている際に、私は何気なくこんなことを口にした。「そういえば、この前御社のサービスを導入されているユーザー企業の部長さんと話す機会があったのですが、たまたま御社のサービスの話になって、このアピールポイントの話をしたら、こんなことを言ってましたよ。“へ〜そんな機能もあったんですね。私も知らなかった。それができるならあの会社、今その手のサービス検討していて、そんな機能のあるサービス探しているって言ってたから導入するんじゃないかな”って。私紹介しましょうか?」すると、相手方企業の方が突然、「どこの会社さんですか?是非紹介してください。この案前向きに検討しましょう!」と言ってくれたのです。「現場の事実」の説得力の強さを感じた瞬間でした。
そして、最近読んだ下記本でも現場主義の重要性について、とても興味深い内容が書いてある。著者は元ボストンコンサルティンググループの日本代表だった掘紘一氏。とても参考になった。
この本で紹介していた事例を一つ紹介したいと思う。
HONDAの営業マンに学ぶ“売れる営業マン”、“売れない営業マン”の違い
売れない営業マンは“売れない現場”に行く
売れない営業マンの場合は、自分を歓迎してくれる店に営業に行くそうだ。自分を歓迎してくれる店というのは、客が来ない暇な店である。店側も暇だから、お茶やお菓子を出して、営業マンを話相手にしようとする。話の内容も商売の話ではなく、前日の巨人・阪神戦談義に花を咲かせるのがオチだ。そうやって商売と関係のないことに時間を使っていては、売れるための参考情報は得られずに、ただ時間が過ぎていくだけである。
売れる営業マンは“売れる現場”に行く
売れる営業マンは、売れない営業マンとは逆で、一番売れる店に行くそうだ。そういう店は忙しいから、店の人間から嫌な目で見られるのが常だ。「用もないのに来るな!」と言われても嫌な顔一つしない。「いつもたくさん売っていただいて、ありがとうございます。今日はうちの商品を磨きに来ました。」そう言って、倉庫にあるホンダの二輪車を磨き上げては、店頭に並んでいたヤマハの二輪車を倉庫にしまって、代わりに店頭に並べてしまうそうだ。地道かつ泥臭いセールス手法だが、販売店の社長は、身一つでのし上がってきた叩き上げの人が多いようで、そういう人は、このような熱心なセールスに感心して目をかけてくれることが多いらしい。
さらに売れる営業マンはそのような地道な活動をしているだけではない。その間も店の状況をつぶさに観察している。競合の二輪車が昨日からどのくらい売れているか、敵は値付けを変えてきているかなど、情報収集を欠かさないのだ。そしてそいういう情報を、会社に戻って、支店長に報告し、今後の販売方針について議論をする。こうして商品はさらに売れるようになる。
分かった気になるな!現場に行こう!
前述の通り、現場で起きている事実が最も説得力がある。そして、その「現場の事実」を知っているというのが強みになる。とにかく売れる営業マンになるためには、現場に行くことだ。売れる理由、売れない理由をなんとなくではなく、現場で起きている事実ベースで明らかにすることだ。そうすれば、必ず何かが見えてくる。長年同じ仕事をしているとなんとなく分かった気になって、現場に行かなくなる人がいる。特に中間管理職にそういう人は多い。そんな人は、改めて「現場の事実」の重要性を意識してほしい。現場の状況は常に変化していく。自分の知っている現場は昨日の現場だ。さぁ、今日の現場を見に行こう!